LOMスローガン

              誰かのために

~本気で考え行動し、より良い価値を創る~

【はじめに】

 1964年、福知山青年会議所は「修練」・「奉仕」・「友情」の三信条のもと、「明るい豊かな社会」の実現を目指し設立され、本年度は創立60周年の節目を迎えます。戦後の混沌とした時代に生まれた青年会議所ですが、現代社会では技術の発展や情報化社会の進歩で物資に恵まれています。しかし、その豊かになった現在でも世界では戦争が起こり、貧困の差は様々な形で起こっています。何が正しい答えなのか誰もわからない不確実な時代にでも、これまで先輩諸兄姉は、まちやそこに住まう誰かがより良くなるために考え活動や運動に挑戦してこられました。0から始め1をつくり、そしてそれを2、3…と広げることも、引き継ぐことも、様々な時代背景のなかでも柔軟に、またしなやかに、変化の波に飛び込んで挑戦し続けてこられました。また、そこには変えてはならないものがあり、それをしっかりと見定め、繋いできてくれたからこそ今があります。

 本年度は「誰かのために~本気で考え行動し、より良い価値を創る~」をスローガンに掲げました。人はどうしても自利のことを意識しがちです。もともと仏教の教えである「自利利他」という言葉がありますが、意味は「自らの悟りのために修行し努力することと、他の人の救済のために尽くすこと。この二つを共に完全に行うことを大乗の理想とする。」と解されています。これはあくまでも理想としての考え方ですが、それを仕事において考えると、「相手が本当に望んでいる価値やモノを提供し、その結果として利益がついてくる」という考え方になります。そのためにはまず「利他の心」、つまり他人のために行動しようとする強い想いを持ち、それを実践に移さなくてはなりません。わたしは自己のためだけを考えて起こす行動よりも、誰かのために起こす行動のなかにより大きな自己の成長があり、そしてその成長がまちや企業の発展などへ繋がると考えます。さらに誰かのために行う活動を通じて価値を創出するとともに、自己への自信や青年会議所会員としての自信をより強固にし、明るい豊かな福知山を実現するために歩んでまいります。

【組織運営が学べる青年会議所の価値】

 わたしが入会した当時の会員数は30名を超え、厳しいルールのもとで組織運営されていました。当時のわたしはまだ25歳と若く、社会のルールなどもよく理解しておらず違和感がありながら従っていた時期がありました。しかし、今を思うと当時厳しく育てていただいたおかげで、現在では青年会議所だけではなく、社業や地域団体の活動でも当時の教えが基盤になっています。

近年では会員数が20名程度となり、一人ひとりの負担を軽減するために、活動の効率化を図り、組織としてのルールを簡素化してきました。また、会員の在籍年数も短くなり、新入会員を教育できる人財の不足や、機会が減少し続けています。今の時代に合った会員自身が誇れる価値ある組織運営を学べる場として、青年会議所があり続ける必要があると考えます。

 本年度は、「組織運営が学べる場」として、会員と共に価値のあるルールや認識を見直し明確にすることで、それに伴うコミュニケーションの必要性や委員会の運営方法、また会員の育成を効率的に行えるようにしてまいります。

【ひとがまちを創り、まちがひとを育てる「まちづくり」】

 わたしが青年会議所に入会した当時は、まちづくりに全く興味がなく、自己の成長にしか興味がありませんでした。人から認めてもらいたくて必死に仕事をしていた時代です。そんなとき、先輩が「まちづくりは世のため、人のためにやるのではなく、自分自身のためにやらないといけない」と教えてくれました。わたしたちがこのまちで生まれ育ち、このまちで生活しているということは、運命を共にしているということになります。まちが衰退するということは、そこで仕事や生活ができなくなる可能性もあります。そう思うと全力でまちづくりをしないといけないと感じました。

そのためには、利他の心を忘れずに「自分たちはまちのために何ができるのか」、「このまちがどうしたらより良くなるのか」を想い考え行動していくことが、ひとがまちを創り、まちがひとを育てる「まちづくり」に繋がっていくと確信します。

 本年度は、これまで行ってきた青年会議所のまちづくりに対しての歴史を遡り、それらを参考に未来へと繋がる価値ある事業展開を行ってまいります。

【ひとがまちを創り、まちがひとを育てる「ひとづくり」】

 老子の格言で「授人以魚(じゅじんいぎょ) 不如授人以漁(ふにょじゅじんいりょ)」という言葉があります。意味は「人に魚を授けるよりも、人に漁を教える方が良い」という考え方です。青年会議所においても物質的な支援よりも、仕組みづくりによって自走できる方法を生み出す機会を創り出すことが、活動や運動の理念となっています。しかし、ときには相手の機会を奪うこともあります。相手のことを想う行動によって自分で釣り方を編み出す機会を奪うかもしれないということです。

機会を人の成長につなげる青年会議所は、20歳から40歳までという年齢制限と単年度制という仕組みにより、一見効果を最大化することや継続性をもたせるには不利な組織運営に思えるかもしれません。しかし、それが青年会議所としての魅力であり、地域のリーダーを生み出し続ける仕組みの一つです。

 本年度は、ひとづくりに対しての仕組みを創出します。ひとがまちを創り、まちがひとを育てる「ひとづくり」を通じて、福知山の新しい文化を生み出します。

【共感し共に成長できる仲間を求めて】

 わたしたちが活動や運動を行うことができるのは、共感できる仲間がいるからです。一人の力や想いだけでは最大の成果を得ることや、目的を達成することは難しくなってきます。

 福知山青年会議所が設立されてから60年が経ちました。その間、90名を超える会員が活動していた年度もありましたが、2024年度は18名からのスタートです。これまで「会員数が少ないから」や「事業予算が無いから」といって言いわけをして諦めてきたわけではありません。「少ないなら、少ないなりにどうしたらいいか」を本気で考え、前へ進んでまいりました。その結果が昨年度は準会員制度を確立したことや、活動や運動に対する評価もされてきました。しかし、わたしたちが目指す明るい豊かな福知山の実現に対してより効果を増すためには、会員の増強は必要不可欠です。

 本年度は20名を拡大目標にします。この目標を達成することは安易ではありません。そしてこの目標を達成するためには、現在の青年会議所に対するイメージを変えることや、知らない世代へのアプローチや交流も必要だと考えます。さらに大切なこととして、会員一人ひとりが胸を張って青年会議所の良さや価値を伝えることができ、仲間を集めたいと行動することで達成できる数字だと考えます。引き続き青年会議所の存在価値を高めていくとともに、全会員で発信して未だ見ぬ仲間探しに力を尽くします。

【未来へ繋ぐ創立60周年】

 福知山青年会議所が創立60周年を迎えるにあたり、これまで誰かのためを想い全力で活動してこられた先輩諸兄姉の歴史と伝統に改めて敬意を表するとともに、その想いをしっかりと受け止めて次世代に継承することが本年度の役目だと考えます。

 わたしは2011年に福知山青年会議所へ入会をしました。全国的に青年会議所の在籍年数は5年未満となり、周年という節目に5年先、10年先の未来を語る機会や経験をする会員も減少してきました。わたし自身がこれまでの青年会議所活動を通じて、様々な先輩諸兄姉や仲間と共に活動してきた経験や、先輩から受け継いできた文化や伝統をしっかりと次世代へ繋ぐチャンスと捉え、会員一丸となりこの機会を最大限に活かしていきたいと考えます。

 本年度は、2014年に策定されたLOM活動ビジョンの10年間と向き合い、そして未来の10年間を想い考え繋いでまいります。

【結びに】

 「何のためにわたしたちは青年会議所に時間を費やすのか」これは多くの青年会議所会員や青年会議所を知る人たちが思っていることかもしれません。仕事や家庭の時間を使い、ときには迷惑をかけてまで、この青年会議所に時間を費やしている人は少なくないと思います。しかし、「何のためか」と聞かれたらわたしは迷いなく「誰かのためであり、自分のため」だとはっきりと伝えます。そしてこれが遊びであったならば、わたしは青年会議所に時間を費やすことはありません。時間を費やすからこそ、青年会議所の活動を本気で楽しんでほしいと思います。もちろん楽しいことばかりではなく、辛いこともあります。しかし、どんなときにでも「どうすれば楽しくなるのか」を考え行動に移すことで、それが必ずより良い経験や自信となり、自己の成長に繋がります。

若き青年経済人として、会社や組織を牽引するリーダーとして、そしてこのまちに住む一人の人間として、本気で考え行動することで、より良い価値を創り、明るい豊かな福知山の実現に向けて邁進してまいります。

本気でやる経験が、より大きな自信となり、

誰かを想う行動から、より高い価値が生まれる。その価値は、必ず誰かのためになる。

基本運営方針

  • 会員が誇れる組織運営の再構築
  • まちとひとが繋がる事業の実施
  • 「ひとづくり」に繋がる仕組みづくりの実施
  • 会員の増強と積極的な広報活動の実施
  • 福知山青年会議所創立60周年記念式典及び記念事業の実施 並びに記念誌の作成
  • 2034年度に向けてのLOM活動ビジョンの策定
  • (公社)日本青年会議所、近畿地区協議会、京都ブロック協議会事業への積極的な参加

ひとづくり委員会/活動方針

ひとづくり委員会活動方針

〜未来に続く「文化」を創るきっかけの1年に〜

 委員長 片野 翔大

青年会議所は、仕組みづくりを行い自走できる方法を生み出す機会を創り出すという活動や運動の理念があります。18年ぶりに福知山へ戻ってきて感じたことは、青年会議所の活動をはじめとする様々なチャレンジが多く見られる一方、そのチャレンジが点で留まり仕組み化出来ていないように感じました。活動や運動の理念に基づく仕組みづくりを実現するためにも、わたしたちが率先して行動し、ひとがまちを創り、まちがひとを育てられるような環境を目指す必要があると考えます。

本年度ひとづくり委員会では、近年社会課題となっている「部活動の地域移行」において、全国の約85%が10万人を切る市町村の中で、福知山がその先進地として認知されつつある環境を活用します。まずは、ひとづくりにおける新たな学びを得るために、多くのトップアスリートが取り組む「スポーツマンシップ」の考えから、物事に対する行動基準となる「尊重」「勇気」「覚悟」のキーワードを学び、行動できる人財としてのフレームを学びます。そして、学生や教育委員会とも連携しニーズにあった環境づくりを行うために、各所で連携を図る交流機会の例会を開催いたします。そうすることにより、青年会議所だけの目線でなく、当事者のニーズにも合った継続事業の種を生み出すことができると考えます。さらに具体的な仕組みづくりを形にするために、学生のニーズや課題の大きな種目において、中学生の大会企画を行います。運営の過程において、企画から運用までを一気通貫する一連の業務を経験することで、0から事業として仕組みをつくれる青年会議所に相応しい人として成長できる機会づくりを行います。

社会課題を通じ、福知山が部活動の地域移行において全国を代表するまちとなることを目指し、より良い環境にするための事業づくりを行っていくことが、点でなく持続可能な仕組みを構築できると考えます。福知山の課題に目を向け、チャレンジができる人財が育つまちを目指してまいります。

事業計画(案)
青少年育成事業の実施
5月・8月・11月例会の企画及び運営
創立60周年事業の企画及び運営
積極的な会員拡大

リンクまち・ひと委員会/活動方針

リンクまち・ひと委員会活動方針

~やりたいことをやる~

委員長 下川 功貴

福知山市は(株)東洋経済新報社が発表している「住みよさランキング2023」で京都府1位となりました。その要因の中には、先輩諸兄姉の「ひとがまちを創り、まちがひとを育てる、まちづくり運動」があると考えます。入会歴の浅い会員が増えてきた福知山青年会議所は、まちづくり運動の歴史を遡ることで、温故知新、未来へ繋がる価値あるまちづくり運動につながるヒントを見つけ、行動する必要があります。

リンクまち・ひと委員会では、未来の福知山青年会議所がおこなうまちづくり運動につながる、価値ある経験を生み出すことを目指します。まずは、2024年度に掲げるLOMスローガンの実現にむけて青年会議所会員が一致団結してスタートするために、御霊神社参拝を実施します。また、2024年度の活動の視野を広げるため、日頃よりご支援いただいている関係諸団体の皆様や先輩諸兄姉をお招きし、1月例会及び新年「まち・ひと創造」交流会を開催します。歓談の場にて忌憚のない意見交流を実施し、2024年の活動の躍進に繋げます。さらに、7月は福知山青年会議所創立60周年という節目に合わせて、福知山青年会議所にとって価値ある財産をつくりあげる事業をおこないます。効果の最大化を図るため、過去のまちづくり運動の歴史を遡り、福知山市民から支持していただくための行動につなげるための参考とします。また福知山市民にも事業構築に参加していただき、人任せにせず、自らが動いて変えていくまちづくり運動への意識づくりを図ります。そして、10月には、7月に生まれた価値ある財産の価値をより高めるための事業を展開します。

 福知山青年会議所のまちづくりにとってありたき姿とは、先輩諸兄姉の経験が現在のわたしたちへと語り継がれ、経験の蓄積が未来のまちづくり活動の可能性を広げることだと考えます。歩みを止めることなく、より大きな前進ができるように1年間、活動に邁進してまいります。

事業計画(案)
御霊神社参拝の企画及び運営
1月・7月・10月例会の企画及び運営
新年「まち・ひと創造」交流会の企画及び運営
まちとひとが繋がる事業の企画及び運営
創立60周年事業の企画及び運営
積極的な会員拡大

みりょくクローバー委員会/活動方針

みりょくクローバー委員会活動方針

~ALL For ALL~

委員長 板野 志津香

(一社)福知山青年会議所の理念である「明るい豊かな福知山」の実現は、普遍的で時代を超越する価値観です。様々な社会情勢の変化により市民ニーズが多様化する中、より市民に必要とされる団体であり続けるためには、多様な人財と共に、活動や運動を展開していく必要があります。本年度当委員会では、市民に向けて青年会議所の魅力や理念を共感していただける運動を展開することで、共に成長できる仲間を20名以上増やす「倍拡」を目指します。

まずは、当青年会議所のネットワークを活かし、様々な分野から抽出した人財の拡大リストを作成します。拡大リストをもとに、当委員会だけでなく、全体で連携しながら対象者へ会いに行き、共に活動したいという想いを伝え、勧誘してまいります。そして、3月例会では、先の勧誘した対象者をオブザーバーとして多数募り、青年会議所の魅力を感じていただける拡大例会を実施します。その際は、会員との交流をしっかりと深めるために、相互にコミュニケーションをとれる工夫を凝らすことで、より青年会議所の魅力が伝わる機会とします。さらに、6月例会では、青年会議所へ入会するメリットや意義、組織としての強みを一般の皆様が感じられるオープン例会の開催をもって、確実な人財確保へと繋げます。また、わたしたちの運動をより広く、そして日常的に周知するために、従来の公式ホームページやFacebookだけではなく、公式Instagramを新たに開設し、各種SNS媒体が連動した広報や会員それぞれの魅力を伝える発信、最新の動向を意識した表現を行うことで、福知山青年会議所の魅力をより発信しやすい環境を整えます。

会員全員で「倍拡」へと取り組んだわたしたちは、多様な仲間を迎えいれ、地域により大きな運動を起こせる組織へ成長していると確信しています。誰かのために、本気で考え行動し続けることで、「明るい豊かな福知山」に向け、一年間邁進してまいります。

事業計画(案)
1 費用を抑えたホームページの作成と運営
2 公式SNSの作成及び運営・管理
3 20名以上の会員拡大
4 拡大リストの作成及び運営
5 3月・6月例会の企画及び運営
6 新入会員への例会及び出席促進
7 2025年1月発行広報紙「ききょう」の作成及び発行
8 創立60周年事業の企画及び運営

総務財政運営委員会/活動方針

総務財政運営委員会活動方針

~「組織運営を学べる場」としての価値向上~

 委員長 森山 賢

 本年度、創立60周年を迎える(一社)福知山青年会議所は、これまで先輩諸兄姉から引き継がれたルールのもと、価値ある運動を展開してまいりました。しかし、近年では会員の在籍年数が短くなり、経験の機会が減少しています。そのことにより、会員間で認識の違いが生まれたり、特定の会員に頼りすぎたりしてしまい、自己成長するための場が十分に確保できていません。今こそ、当会議所のあり方を見直す必要があります。

当委員会では、会員にとって実り多き「組織運営を学べる場」として再構築するためにも、組織運営におけるルールを明確化し、価値のあるルールとして見直すことで、会議に関する運営手法を整理してまいります。まずは、それを電子マニュアル化することで、誰もがアクセスしやすい環境を整えるとともに、組織運営に関する講習会やオリエンテーション等を行い、委員会運営の質向上や効率的な会員育成を行ってまいります。そして、充実した会議を行えるように、上程スケジュールの厳守を徹底することや、事前に議案の精度を高めることを工夫してまいります。さらに、組織ルールの徹底を前提とした効率的な運営を行えるように、議事録の音声保存化等の新たな手法導入を常に検討しつつ、諸会議の準備、各事業に関する記録や整理、保存等において万全な体制を構築します。また、伝統ある福知山青年会議所のさらなる発展に向け、そのあり方を見つめ直す機会とするために、12月例会内で卒業式並びに褒賞授与式の企画及び運営を行い、皆でその会員に対する栄誉を称えるとともに、会員の功績について各々が振り返る時間を創ります。

上記を達成したわたしたちは、先輩諸兄姉からこれまで受け継いだものだけでなく、新たな価値を生み出し、確実により良い組織を創りあげることができます。その価値は必ず

誰かのためになると固く信じ、「明るい豊かな福知山」の実現を目指してまいります。

事業計画(案)
諸会議の設営及び運営
総会の設営及び運営
金銭出納の総括
会費徴収の総括
各事業の記録・保存・整理
12月例会内での褒章授与式の企画及び運営
新入会員オリエンテーションの実施
入会式の企画及び運営
新入会員への例会及び出席促進
積極的な会員拡大