2025年度LOMスローガン
情熱事変〜希望あるまちの未来を共に創り出そう〜
【はじめに】
私たち一般社団法人福知山青年会議所は、1964年の設立以来、「修練」「奉仕」「友情」の三信条のもと、「明るい豊かな社会」の実現を目指して運動を展開してきました。昨年度は創立60周年を迎え、私たちの活動の礎を築き上げてきた先輩諸兄姉が注いだ情熱が、今も福知山市内外を超えて多くの人々や団体と深いつながりを結んでいることを、改めて実感しました。この情熱に支えられた絆こそが、私たち福知山青年会議所の誇りであり、今後のまちづくりを支える確かな基盤です。
しかし、私たちは果たして「明るい豊かな福知山」の実現に向けて、その情熱を十分に発揮できているでしょうか。福知山青年会議所を設立された当時の先輩方の想いが記された設立趣意書の一節にはこうあります。「進歩的で、行動的な青年の時代は、そう長くはない。私達は、この貴重な短かい時代を悔いないものとして送るため、又ローカル都市に於ける井の中の蛙的な視野の狭さで、終わらないためにも、(略)JC運動を起し、相互の友情、社会への奉仕、自己の修練に努め、明るい豊かな社会を築き上げるべく、英知と勇気と情熱をもった青年になろうではないか。」60年前にゼロからイチを生み出した情熱が、今の私たちのなかにも息づいているでしょうか。
青年会議所の存在意義は、20~40歳という限られた時間の中で、まちづくりを通じて仲間と共に切磋琢磨しながら学び、成長し、リーダーシップを発揮して地域にポジティブな変化を起こし続けることだと私は考えます。しかし、現在の福知山青年会議所では家族の状況や働き方などの環境が変化する中で、それぞれが「やらなければならないこと」に追われ、活動や運動に十分に関われないという課題も抱えています。それでも、限られた時間の中で私たちにできることは、まだまだ多くあると信じています。
変化を恐れず、試行錯誤を重ねながら、本質を捉えた活動を通じて「明るい豊かな福知山」を創り上げられるかどうか。それは私たちが情熱をもって行動できるかにかかっています。
【希望あるまちの未来を共に創り出そう】
今年度は「情熱事変 〜希望あるまちの未来を共に創り出そう〜」をスローガンに、私たちが「明るい豊かな福知山」を創るために何ができるかを常に考え、行動します。メンバーはもちろん、市内外の人々や団体とも協力し、柔軟な発想と「このまちを守るためにも変化を起こす」という強い意志をもって挑戦し続ける一年とします。
福知山には、まだまだ大きな可能性が秘められています。まちづくり活動を通じて、その可能性を最大限に引き出すことで、必ず私たちは成長できると信じています。「気づいた人が動く。動けば結果が生まれる。結果が情熱を育て、その情熱がさらなる行動を生む」。この好循環を生み出し、情熱を持つ人々で溢れた希望ある福知山を、共に創り出していきましょう。
【子育てするなら福知山という魅力を高める運動を生み出す】
京都府北部や北近畿地域では、人口減少や高齢化、若年層の人口流出が深刻な課題となっています。その中で、福知山は京都府下で、昼夜間人口比率が京都市、宮津市に次いで3位と高く、近隣市町から人が集まる、希望あふれる地方中核都市です。そして、合計特殊出生率が近畿で3位、京都府下で2位となる1.84と高水準を誇る、医療や教育、自然環境に恵まれた子育て世代に魅力的なまちです。子育て世代が多く暮らすまちだからこそ、率先して子育て世代や学校、企業、地域の諸団体と連携し、さらに暮らしやすいまちにしていくことが重要です。そのためには「子育てをするなら福知山」という視点で、シビックプライドを醸成する運動を起こすことが大切です。
これまで築いてきたつながりを大切にしつつ、情熱を持って新たな子育て世代を取り込んだつながりを生み出し、運動を展開することで、「北近畿で明るい豊かな生活をするなら福知山だ」と自信を持って言えるまちを実現し、福知山の魅力を一層高めます。
【地域外連携を進め、福知山の魅力を発信し、まちの誇りを高める】
福知山は可能性に満ちています。私は世界25カ国を旅し、地域おこしにも携わってきましたが、福知山に移住し、仕事や家族と共に暮らす中で日々実感したのがその豊かさでした。福知山には人、まち、食、自然、歴史文化など、誇るべき魅力がたくさんあります。しかし、灯台下暗しという言葉もあるように、その魅力が身近すぎて、地域の人々が気づかなくなっていることもあります。
福知山市が発表している統計や国勢調査では、若年層の就職時の流出が顕著で、このままでは人口減少が進みます。さらに、人口減少により、地域の活力低下や、様々なサービスが受けられなくなるといった問題に直面する危険があります。
この課題を解決するためには、福知山の魅力を地域内外の多くの人々に知っていただき、特に若い世代に選んでもらうまちとなることが大切です。そのために、地域の資源に気づき、福知山全体でその魅力を高め、希望あるまちの未来を創り出す運動を起こすことが大切です。
福知山に溢れる魅力を、地域外の人々にも知っていただき、体感できる機会を創出することで福知山のファンを増やす運動を実施します。ファンづくりの過程を福知山市内外へ発信し、さらに多くの人を巻き込むことで地域の魅力発信とファンづくりの相乗効果を図ります。地域外の視点を取り入れることで、地域の魅力を再発見することでシビックプライドを高めることを目指します。
【本質を追究し、成長し続ける組織を目指して】
青年会議所は、組織運営を学べる場として価値があります。単年度制によるさまざまな役職・役割の経験を通じて、青年会議所の活動や運動だけでなく、仕事にも通ずる力を身につけ、その過程で多くの人とつながることができるからです。しかし、これまでの伝統的なルールが、メンバーの家族の状況、働き方の違いによってかみ合いにくくなっているという現実もあります。礼節は守りつつ、家族や仕事、地域を大切にするという原点を見失わず、現代に合わない運営手法は変えていく取り組みが必要です。
会員同士で助け合い、現代に合った組織運営を通じて、自己と組織が共に成長する青年会議所を目指します。年度末に向けて継続的に組織が運営できる新たな仕組みを創り上げ、会員が家族・仕事・地域を愛し、JC活動に情熱と希望を持って積極的に取り組める組織を目指します。
【結びに】
まちづくりにおいて答えはないと私は考えます。まちとはそんなに単純なものではありません。多くの人々が主体的あるいは受動的に動き、さまざまな環境の変化に対応しながら思い思いに行動を選択しています。その選択の積み重ねによって成り立つ「まち」に希望の光を見つけることは決して容易ではなく、一年で全てが完結することはあり得ません。だからこそ情熱を持って継続的に取り組む「まちづくり」は面白いのです。
まちに希望をもたらすその過程には必ず困難が伴います。しかし、その困難という逆境を乗り越えるために挑戦を続けることで私たちは成長することができます。
私たちは、圧倒的な当事者意識を持ち、逆境すら楽しみ、情熱をもってより豊かな福知山を目指します。「誰かがやってくれる」ではなく、「自分がやる」と決意し、率先して行動することでまちにポジティブな変化、すなわち「情熱事変」を起こし、青年会議所としての私たちの価値を発揮していきます。
福知山青年会議所で活動できることを誇りに思い、希望あるまち福知山の未来を仲間と共に創り出していきます。
未来keep ON smiling委員会 活動方針
~一人でも多くのひとを笑顔に~
委員長 岩井 有佳子
一般社団法人福知山青年会議所は設立以来、「明るい豊かな福知山」の実現を目指し、市民や関係諸団体と共に情熱をもって活動や運動を展開してまいりました。現在の福知山市は、合計特殊出生率が高く、医療や教育、自然環境が充実したまちとして、特に子育て世代にとって高く評価されています。多くの子育て世代が暮らすまちだからこそ、その強みを発展させ、さらに子育て世代から選ばれるまちづくりを行う必要があります。
本年度、当委員会では公益社団法人日本青年会議所が推進する「ベビーファースト宣言」や「ベビーファースト活動宣言」を活用し、子どもや子育て世代が安心して暮らせるまちづくりに挑戦していきます。まずは、私たちの活動や運動の効果を高めるために、公益社団法人日本青年会議所や福知山市の子育てに関わる関係諸団体と共に、その理念や推進方法について学ぶ機会を設け、「ベビーファースト宣言」に関する共通の知識や理解、共感を得ます。そして、より具体的に運動を展開していくために、推進する環境づくりに力を入れるとともに、実際のニーズに沿ったアクションプランを作成し、地元企業を中心に企業側にも「ベビーファースト宣言」の意義を理解していただく活動を通じてベビーファーストなまちの未来を描きます。さらに、継続した運動を展開していくために、これまでの活動や運動を検証するとともに、地域の中での協力体制を築き、青年会議所だけではなく福知山市の子育てに関わる関係諸団体が、共に自走できる環境をつくります。また、多くの方の共感を得るために、広報活動にも注力し、ベビーファーストな輪を広げてまいります。
子どもや子育て世代が安心して暮らせるまちづくりに向けた挑戦と情熱が、市民全体のシビックプライド向上にもつながると確信をしています。福知山市が「子育てしやすいまち」としてさらに発展し、一人でも多くのひとを笑顔にできるよう、全力で活動していきます。
ふるさと魅力発信委員会 活動方針
~地域の魅力発信と地域外連携に向けて~
委員長 森山 賢
福知山青年会議所は1964年の設立以来、地域の問題や課題に向き合い、挑戦的な事業や運動を展開してまいりました。現在多くの地方が抱える課題の一つに人口減少による地域の活力低下や、市民サービスの減少が問題視されています。そんな福知山市以外も抱える日本の課題は自身のまちの中だけの視点で解決することは困難です。地域内外の人々と協力しながら、このまちの課題に広い視野と柔軟な思考で挑戦し続けることが必要です。
本年度、ふるさと魅力発信委員会では、希望あるまちの未来を創り出すために地域の魅力的な資源を地域内外へと繋ぎ、発展させる活動を行ってまいります。まずは、福知山市の資源や価値の新たな可能性を切り拓くために、福知山市と同様の課題や共通点をもつまちや人とのご縁を創り出し、地域外の視点を加えたうえで、地域課題を語り合う場を創り出すことで、福知山市と他の地域との連携や交流を生み出し、学びの場をつくります。そして、福知山市を若者が選ぶまちとするために、今福知山のまちに住み暮らすまたは訪れている若者を対象に地域資源を語る場を創り出すことで、若者が福知山のまちを語り、誇れる未来を創り出します。さらに、福知山市の溢れる魅力を地域外の人々に広げるために、福知山のまちを肌で感じる場を創出し、行政、関係諸団体とも連携しながらさらなる福知山ファンの増加を目指します。また、青年会議所活動をより広域的に効果を展開するために、日々の活動を公式ホームページやSNSを通じて発信し、地域内へは広報紙「ききょう」の発行を行うことで、地域内外の方に福知山青年会議所活動への理解と共感を広げます。
まちづくりは私たちのふるさと福知山がより多くの人に愛され続けるための挑戦であります。そのために福知山の発展や地域資源の発掘を自身のまちだけの視点でとどめることなく、多くの繋がりやご縁を大切にするまちづくり活動に情熱をもって邁進してまいります。
運営イノベーション委員会 活動方針
~組織に安心と力を~
委員長 大槻 勇直
(一社)福知山青年会議所は、組織運営を学べる場としての価値がある団体であり、仕事にも通じる力を身につけることができます。しかし近年、社会環境や働き方の変化により、JC活動を行う会員の中で、仕事や家庭との両立が難しく、十分なJC活動を行えない状況が生まれています。このような背景を踏まえ、会員一人ひとりがJC活動を通じてより良い経験を得るとともに、成長し続ける組織にする必要があります。
運営イノベーション委員会は、一人でも多くの会員が積極的に活動に取り組める環境を創り出すことを目指します。まずは、単年度制という限られた時間の中で最大限の力を発揮するため、明確なルールや仕組みを整備し、統一された理解のもとで活動できる体制を築きます。そして、家族・仕事・地域とJC活動の両立をするために、活動の内容やルールを定期的に見直し、バランスを保てる環境を構築します。さらに、組織運営を円滑に進めるために不可欠な会費を定められた期間内に徴収を行い、正確な金銭出納を徹底していきます。また、1月には、御霊神社を参拝し、前年度の感謝と本年の精進を誓います。そして、例会では新体制で一丸となってスタートを切り、活動意欲の向上へ繋げるための例会を開催します。さらに、新年「まち・ひと創造」交流会は、日頃活動を支えてくださる方々に本年度のスローガンにかける想いを発信し、さらなる協力と共感を得る機会とします。また、12月には、一年間の活動を振り返るとともに、卒業生から現役会員へ想いを継承し、更なる意欲向上に繋げる例会を開催します。
今年度は、組織運営に慣れていない会員の不安を減らし、前向きな気持ちで青年会議所活動に参加できる環境にすることを目指します。入会間もない会員でも組織の未来を担う人財として成長できるよう、全員が情熱を持ちながら新たな挑戦へ前向きに取り組み、組織の持続的な発展に繋げます。